放射線の中で電子より重いものを粒子線、ヘリウムイオン線より重いものを重粒子線と呼びます。
重粒子線治療とは、この重粒子線を活用した放射線治療で、特に炭素イオンが活用されています。
重粒子線治療では、重粒子(炭素イオン)線を光の速度の約70%まで加速させて照射し、体の深部のがんを攻撃します。従来のX線を使った放射線治療では、体内の奥に入っていくほど影響力(ダメージの強さ)が下がっていましたが、重粒子線治療は、その影響力(ダメージの大きさ)のピークを体内に設定できるため、がん病巣に狙いを定めて効果的に照射できます。
また、重粒子線治療は、がん病巣の形や位置(深さ)に合わせて集中的に照射。がん病巣の形に合わせて照射調節の専用器具「コリメータ」「補償フィルタ」がそれを可能にします。
一人ひとりに合わせた照射を行うことで、脊髄などの重要な器官に影響を抑えてがんを治します。
[粒子線治療ガイドからの引用]
粒子線がん相談クリニックは、最先端医療である「重粒子線治療」の現場で活躍している専門医(放射線医学総合研究所病院、群馬大学重粒子線医学センター)によるセカンドオピニオン外来です。
「放射線医学総合研究所病院」は日本で最初の重粒子線照射施設「HIMAC」を備え、1994年より研究と治療を行っており、治療を受けた患者さまの数は世界最多の実績を誇ります。
「群馬大学重粒子線医学センター」は世界初の普及型重粒子線治療装置を備えた施設です。
PETとは「陽電子放射断層撮影」のことで、X線やCTと同じく放射線を用います。しかし、体の外側から放射線を透過して得た情報を「影絵」の原理で写真化するX線やCTとは仕組みが異なります。PETは体内の代謝活動を放射性薬剤を用いて、映し出すものです。
具体的には、代謝物質のブドウ糖と放射線を発する放射性同位元素を結合した薬剤を受診者に注射し、薬剤が体内に行き渡ったところで撮影します。すると、ブドウ糖を多く消費する脳、心臓、筋肉などには放射性薬剤がたくさん集まり、そこから出た放射線が写真に映るという仕組みです。悪性腫瘍も増殖が速く、多くのブドウ糖を消費しているため、放射性薬剤がたくさん集まり、映し出されます。このようにして悪性腫瘍の存在の有無が診断できますが、臓器の「形態」を映し出すことは、CTの仕事になります。
PET検査は、臓器の形態を精密に映し出すことが苦手です。そこで、PET画像にCT画像を重ね合わせることが出来れば、病巣の位置がより正確に診断できるようになります。このような画像を融合画像といい、正確な融合画像が得られるようにPETとCTを一体型にした装置をPET/CTと呼びます。
がん細胞は15ミリを超えると急激に増殖をはじめ、転移の危険性も高くなるため、いかに小さなうちに見つけるかが重要になります。 今までのがん検診では一般的に15ミリ程度のものしか発見できませんでしたが、PET検査では10ミリ以下の小さなものまで発見することが可能です。がん細胞が取り込むブドウ糖を画像で見るため、従来のCT検査やMRI検査、超音波検査では見つける事が困難であった場所のがんを見つけることができます。
PEMとは、全身PET検査の際に投与された薬剤の乳房における分布を、乳房専用の検出器を用いて画像化するものです。乳房の強い圧迫が不要のため、マンモグラフィに比べて痛みが軽減されるのが特徴です。また全身用PET装置では発見が難しい、径1cm以下の小さな腫瘍の発見も可能となります。
一般的に、マンモグラフィや超音波検査は腫瘍の形態的特長を指標として診断を行いますが、小さな癌や乳腺が厚い場合は判断が難しくなります。一方、PEMは細胞の代謝を利用して癌を検出するので小さい癌や乳腺が厚い場合にも検出が可能で、5mm程度の乳がんを見つける事もできるといわれています。
検出器は平行平板2枚構成で、間にプラスチック製の乳房固定板を設置しています。上板を上下に動かすことができ、感度上昇とノイズ減少を実現しています。50ニュートンほどの圧力で、乳房をやさしく固定する方式を採用していますので、受診者様の痛みが激減します。
放射線医学総合研究所・客員研究員
神奈川県立がんセンター 重粒子線治療施設長
(公財)医用原子力技術研究振興財団 代表理事・副理事長
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北海道大学医学部卒国立札幌病院放射線科勤務 米国St Vincent Hospital レジデント その後、北海道大学医学部放射線科講師 在職中 米国とスイスで各1年間パイ中間子治療プロジェクトに参加 |
1990年 | 筑波大学臨床医学系教授(陽子線医学利用研究センター長) 世界で初めて深部がんに対する陽子線治療を実施 |
1994年 | 放射線医学総合研究所で世界で初めて炭素線治療を実施 重粒子医科学センター病院長 センター長を経て2008年より 理事 2011年よりフェロー(現在は客員研究員) |
2014年 | (公財)医用原子力技術研究振興財団 代表理事・副理事長 |
2016年 | 神奈川県立がんセンター 重粒子線治療施設長 |
2005年 | 高松宮妃癌研究基金学術賞 |
2006年 | 国際粒子線治療研究会(PTCOG)会長 |
2013年 | 日本放射線腫瘍学会特別功労賞(Gold Medal) |
2015年 | 瑞宝中綬章 |
1947年、秋田県大仙市出身。新潟大学医学部を卒業後、同大学外科勤務。
秋田県赤十字病院勤務時代、「幻のがん」と呼ばれていた陥凹(かんおう)型大腸癌を発見し、以後、大腸癌の内視鏡検査・手術の世界的権威として知られ、手がけた検査は過去20万件にのぼる。
昭和大学横浜市北部病院消化器センターには毎年50~60名の海外留学生・研修生を受け入れ、自身のこれまでの海外講演・実技指導は60カ国250回を数える。
日本消化器内視鏡学会の理事など、関連学会の理事・役員を務める。学術書はもとより、一般向け著書「見えないがんを追う」(新潮社)、「大腸がん-これだけ知れば怖くない‐」(実業之日本社)などを出版。
昭和大学横浜市北部病院消化器センター長
上海復旦大学附属華東医院終身名誉教授
昭和48年(1973年) | 3月 | 新潟大学医学部卒業 |
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昭和48年 | 4月 | 新潟大学外科 入局 |
同 58年 | 5月 | 同 助手 |
同 60年(1985年) | 3月 | 秋田赤十字病院外科部長 |
平成 4年 | 4月 | 同 胃腸センター長 (兼任) |
同 8年 | 4月 | 浜松医科大学 非常勤講師 |
同 10年 | 4月 | 札幌医科大学 非常勤講師 |
同 11年 | 4月 | 獨協医科大学 非常勤講師 |
同 11年 | 4月 | 秋田大学医学部 非常勤講師 |
同 12年 | 4月 | 同 臨床助教授 |
同 12年(2000年) | 10月 | 昭和大学医学部教授 / 横浜市北部病院消化器センター長 |
同 13年 | 4月 | 同 副院長(兼任) |
同 19年 | 8月 | 上海復旦大学附属華東医院 終身名誉教授 |
同 25年(2013年) | 4月 | 昭和大学横浜市北部病院消化器センター長 |
昭和61年 | 1月10日取得 | 新潟大学医学部 学位論文 Light-And Electron-MICROSCOPIC ANALYSIS OF COLORECTAL CARCINO- GENESIS INDUCED IN THE RAT BY 1, 2−DIMETYLHYDRAZINE (Acta Medical et Biologica.33;35 59,1985) |
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平成2年 | 7月 | 第15回 村上記念 ”胃と腸”賞 受賞 |
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同 2年 | 12月 | 第18回 三越医学賞 受賞 |
1964年札幌医科大学卒業。慶應義塾大学附属病院にてインターン終了後、米国留学。ハーネマン医科大学にてリサーチ・フェロー、ペンシルバニア大学フィラデルフィア小児病院およびクリーブランド・クリニックにてクリニカル・フェロー修了。順天堂大学講師、日本大学助教授、スタンフォード大学客員教授、カリフォルニア大学客員教授、杏林大学客員教授を経て、1988年、医療法人社団博心厚生会を設立。アベ・腫瘍内科・クリニック理事長、九段クリニック名誉院長を務める。
多くの患者さまの診療にあたりながら、人に優しい医療、人生の幸せに結びつく医療を目指す。近年は特に樹状細胞ワクチンを中心としたがんの免疫細胞治療の研究・臨床に力を入れており、保有する技術について、日本、米国、欧州、アジアで特許を取得。米国癌学会、日本癌学会、Forum on DC Vaccineなど国内外の学会で研究発表を行っている。
2002年5月、World Life Research Institute, USA(米国生命科学研究所)より「ガン治療と予防への多大の貢献」に対し、また、Cancer Control Society(米国ガン・コントロール協会)から「ガンと免疫療法に使う生薬の研究における成果」に対して表彰を受けた。2013年4月、国際オーソモレキュラー医学会より「オーソモレキュラー医学の普及への貢献」に対して2013年のHall of Fame(名誉の殿堂入り)の栄誉に授かる。
医学博士。一般社団法人国際個別化医療学会理事長、トーマス・ジェファーソン大学客員教授を兼務。
『がんと宣告されたらどうする?ドクター・アベに聞く50のQ&A』(北辰堂出版)、『がんで死なない治療の選択 - アポトーシスの秘密』(徳間書店)、『Current Cancer Treatment - Novel Beyond Conventional Approaches』『Cancer Treatment - Conventional and Innovative Approaches』(INTECH)、『黄金なす曙』(文藝春秋)、『個別化医療テキストブック』(翻訳/国際個別化医療学会)、『最新の癌免疫細胞療法-リンパ球療法から樹状細胞がんワクチンまで-』(永井書店)、『糖尿病とつき合ってこの10年でわかったこと』『健康長寿の遺伝子にスイッチを入れる本』『インフルエンザのようにがんは「ワクチン療法」で解決できる』『人生の幸せは肝臓で決まる』(青萠堂)、『がん治療最前線 驚異のハイブリッド免疫療法』(祥伝社)、『トマト力』『血糖値を下げる特効法101』『内臓脂肪を減らす特効法101』(主婦と生活社)、『生きている。それだけですばらしい』(村上和雄先生と共著・PHP研究所)、『男40歳からの「からだ」の警報』(講談社)、『お医者さんが選んだサプリメント』(三笠書房)他多数刊行。